頭皮の脂漏性皮膚炎は一度発症してしまったら完治はしません。
頭皮湿疹やかゆみ・赤みなどを薬で抑え、再発を防止し続けるしか方法はありません。
治ったと思ったら、1週間後に再発…なんてことザラにあります。
ただ、しっかり予防さえすれば何年も再発を防ぐことはできます。
脂漏性皮膚炎ってなぜ発症するの?
脂漏性皮膚炎が発症・再発する可能性の高いものは以下のようなもの
脂漏性皮膚炎の原因は、マラセチア真菌というカビ菌です。
カビ菌は皮脂が大好物で、皮脂量が増加すると増殖します。
免疫力が低下したり、カビ菌が増殖すると、頭皮は敏感に反応。のちに湿疹やかゆみといった症状を引き起こしてしまいます。
今回は、そんな脂漏性皮膚炎を対処すべく、5つの対策法と再発予防法をご紹介します。
頭皮に脂漏性皮膚炎が発症したときの対処法5選
①頭皮湿疹やかゆみなどの症状を抑える。医薬品の使用
ドラッグストアなどで手に入る薬では「ムヒHD」を使用するのが良いでしょう。
花粉症などのアレルギー薬にも配合されている「ジフェンヒドラミン」という成分でかゆみを抑えステロイド成分により、湿疹やニキビの腫れを鎮めます。
ですが市販薬は一時的な対処にすぎません。ひどくなる前に早めに皮膚科へ行きましょう。
皮膚科へ行くと、「ケトコナゾール」という成分が配合された抗真菌薬を処方してもらえるでしょう。(ニゾラールクリーム、ニゾラールローションなど)
また症状によっては、まず炎症を鎮めるためにステロイドを処方されることもあります。
②真菌を除去するためのシャンプーを使用する
毎日のシャンプーで脂漏性皮膚炎を抑えることもできます。
脂漏性皮膚炎の原因を作り出すのは増えすぎた常在菌。
常在菌が増えすぎないように、抗真菌薬が配合されたシャンプーで常在菌に働きかけます。
「これさえ使えば常在菌をコントロールできる!」というわけではありませんが、対処法のひとつとして活用しましょう。
一番おすすめはメディカルシャンプー
出典:ロート製薬
脂漏性皮膚炎用のステロイド薬『メディクイックh』も販売しているロート製薬が作ったシャンプーです。
洗浄力はおだやか。薬用シャンプーにありがちな、髪のバサバサ感もありません。しっとりサラサラ。
洗っている間、ちょっと匂いが薬品臭く感じるかもしれませんが、洗い終わってしまえば気になりません。
リンスやトリートメントは不要ですが、髪のダメージが強い方は普段使っているトリートメントを使用してください。
③脂質や糖質をなるべく避けること
過剰摂取した脂質は、そのまま皮膚表面に多すぎる皮脂としてあらわれます。
また、糖質はエネルギー源となりますが、摂りすぎて体内で使い切れなかったエネルギーは脂肪に変わります。
体内に脂肪が多いということは、皮膚にもやはり皮脂が出やすくなります。
皮脂の分泌が多くなると、それをエサにしている常在菌が増えすぎてバランスが崩れ、脂漏性皮膚炎を発症してしまうのです。
油っこいもの、甘い物の食べ過ぎは脂漏性皮膚炎に直結すると心得ておきましょう。
④免疫力をUPさせる
免疫力が低下すると、真菌の分泌物に敏感になり、フケや湿疹・ニキビといった症状が出やすくなります。
免疫力を高め続けることができれば、再発防止につながります。
免疫力UP法①睡眠をしっかりとる
一日の疲れを取るために睡眠は大切です。
疲れが蓄積していくと抵抗力が落ちてしまいます。
朝スッキリと起きられるように、夜更かしをせず早めに寝ましょう。
免疫力UP法②栄養バランスの良い食事
「毎日サプリもビタミン剤も飲んでるし…」と言って、肝心の食事の内容をおろそかにしていませんか?
サプリメントやビタミン剤は、あくまで補助的な役割なので頼りすぎないようにして、食事の内容を充実させましょう。
例えば定食屋さんでは焼き魚・ご飯・味噌汁のセットだけで済まさず、おひたしやひじきの煮物など小鉢をプラスするとか。
ファストフード店ではハンバーガーセットにポテトではなくサラダをプラスするなど。
普段自分があまり食べないような食材にも手を出してみたり、栄養たっぷりな旬の食材も進んで取り入れてみてください。
免疫力UP法④運動で体温UP・血行促進
平熱が36℃を切る人は、免疫力が低くなっているおそれがあります。
体が冷えないように厚着をしたり、カイロの使用や温かい飲み物を飲むことも大切ですが、一番良いのは運動して筋肉をつけること。
筋肉は、何もしていない状態でも常にエネルギーを使い、熱を作っています。
ウォーキングよりも少しキツめの運動を週に2~3回続けると良いでしょう。
そして筋肉を育てるためにも、前述のバランス良い食事が重要になってきます。
たんぱく質・ビタミン・ミネラルはもちろん、適度な量の糖質もエネルギー源として重要なので、流行りの糖質制限ダイエットなどは控えましょう。
免疫力UP法④ストレスを溜め込まない
ストレスを感じすぎると、自律神経のバランスが崩れます。
自律神経のバランスが崩れると…
せっかく睡眠時間を確保し、栄養バランスの良い食事を用意し、体を温めようと努力しても、心身が受けるストレスが大きすぎては全ての努力が無駄になってしまいます。
自分の趣味に打ち込む、リラックスできる時間を確保するなど、ストレス解消法を見つけて溜め込まないようにしましょう。
また、可能ならストレスの原因を排除してしまうことが一番良いです。
難しいかもしれませんが…同じ部署の先輩から毎日嫌がらせを受けているなら、上司に相談して部署を変えてもらったり、思い切って転職してしまうなど。
小さなことで言えば、通勤電車の喧騒がストレスなら耳栓を用意して電車に乗るなど。
身近なことが意外とストレスになっているかもしれません。我慢してしまうタイプの方は特に気をつけましょう。
⑤外部刺激から頭皮を守る
頭皮の脂漏性皮膚炎は、ただでさえ敏感になってる状態なので、傷がつかないように気をつけることも大切です。
直射日光が当たらないように紫外線を防いでください。
でも帽子のかぶりっぱなしで頭皮が蒸れるのも良くないので、外を歩く時は日傘の使用がおすすめです。
またシャンプーのときに爪を立てる・痒くてついかきむしってしまうことも非常に良くないです。
爪が必要以上に長い場合は短く揃えましょう。
かゆみ止め成分の入った脂漏性皮膚炎用の医薬品を使っても、どうしても痒みが我慢できない場合は患部を冷やすのがおすすめです。
保冷剤をハンカチ等の布に包んで、かゆい部分にしばらく当ててみてください。
熱を持った患部を冷やすことによって炎症も抑えられますし、かゆみも少し軽減されます。(ただし同じ場所を長時間冷やしすぎないように)
関連:タクト・ウナクール・ムヒHD。頭皮のかゆみに一番いいのはどれ?
脂漏性皮膚炎の治療でよくあるQ&A
脂漏性皮膚炎でよくある質問をまとめました。
Q.脂漏性皮膚炎にキュレルシャンプーやミノンシャンプーって使っていいの?
A. 脂漏性皮膚炎の症状が治まってから使うほうが良いでしょう
というのも、キュレルシャンプーやミノンシャンプーには「消炎成分(赤みやかゆみを抑える成分)」は配合されているものの、抗真菌成分は配合されていないからです。
いくら赤み・かゆみを抑えられても、その原因である増えすぎた常在菌を減らしてコントロールしなければ、脂漏性皮膚炎は治りません。
脂漏性皮膚炎の症状が治まってきて、再発を防止したい時に使うのが良いでしょう。
どちらのシャンプーも低刺激で、潤いをキープしながら洗ってくれるものなので、乾燥性のフケやかゆみに悩まされている方にはオススメです。
Q.脂漏性皮膚炎とニキビってどう違うの?
A.ニキビと脂漏性は【菌】が違います。
脂漏性皮膚炎の主な原因菌は「マラセチア真菌」、ニキビの原因菌は「アクネ菌」です。
どちらも皮脂の分泌が増えることが大きな原因のひとつで、見た目で一般の方がどちらか判断するのは難しい、よく似た症状であることが多いです。
ニキビ薬を使用しているのに、なかなか治らない場合は脂漏性皮膚炎かもしれません。
それぞれ治療薬が異なるので、皮膚科を受診しましょう。
普段の生活で気をつけることはニキビも脂漏性皮膚炎も一緒です。
Q.脂漏性皮膚炎は何もしなくても時間が経てば治りますか?
A.乳児の発症であれば自然治癒する場合もありますが、成長期以降にかかると自然治癒は難しいです
一度発症してしまうと治りにくく、治療も長引く傾向にあります。
発症したらそれなりの対策をすぐにすることが大切ですし、フケやかゆみが増えてきたと感じるならば発症の前兆です。
生活習慣に気をつけて、頭皮を常に清潔な状態に保つようにしましょう。
まとめ。最短ケアで再発を防ぐべし!
なかなか治りにくい脂漏性皮膚炎ですが、発症してしまうメカニズムを知ることでうまく付き合っていくことができます。
長引くと頭皮環境が悪化し、抜け毛や薄毛に繋がってしまうので、適切にケアして最短で治し、再発を防ぎましょう。
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