※
休止期脱毛症とは、頭頂部やつむじから薄くなるわけではなく、全体的に側頭部や後頭部まで薄くなる脱毛症のことで、FAGAとは違うものです。
FAGAという女性男性型脱毛症は、側頭部や後頭部が薄くならないタイプの脱毛症で主な原因は女性ホルモンの減少と言われています。
関連:びまん性脱毛症・休止期脱毛症・FAGA・その他脱毛症の違い。
休止期脱毛症の原因は、ほとんどが生活環境からくると言われており、FAGAの原因である女性ホルモンの減少が原因の可能性はかなり低いといわれています。
休止期脱毛症の主な原因
- 栄養不足
- 薬の副作用
- その他病気によるもの
休止期脱毛症と栄養不足
- 鉄欠乏性貧血
- 亜鉛の欠乏
- 血清鉄低値
- たんぱく質や炭水化物を極端に制限したダイエット
髪の毛と栄養は密接な関係を持っていて、何かが極端に不足すると脱毛が引き起こされてしまいます。
鉄欠乏性貧血とは
体内に鉄が不足したために、血液中のヘモグロビンが減少して起こるもので、貧血のうち9割以上を占めます。
若い女性の間で4人に1人が、この病気になっていると言われています。
鉄欠乏性貧血が薄毛を引き起こす理由
髪の毛は、毛根にある毛母細胞が細胞分裂をすることで成長していきます。
鉄分が不足すると酸素を運ぶヘモグロビンが生成されなくなります。すると、毛母細胞の働きが衰えてしまうんです。
鉄分はコラーゲンの合成にも関わっていて、不足することで頭皮のコラーゲン量が減ったり、頭皮の老化が進んでしまう恐れがあります
亜鉛の欠乏による薄毛
髪の毛はタンパク質で出来ていますが、食事から摂取したタンパク質がそのまま髪の材料となるわけではありません。
髪の毛を構成するケラチンというタンパク質を作りだすためには、亜鉛が必要になるんです。
そのため、亜鉛が不足すると髪の毛を作る材料が足りなくなり、薄毛が引き起こされてしまいます。
血清鉄が低い
血清とは血液の中の液体成分のことを言います。
「血清鉄(Fe)」は、その血清中に含まれる鉄分のことで、ヘモグロビンの原料となるもの。
この血清鉄が基準値より低いと、先程の「鉄欠乏症貧血」になる可能性があります。
血清鉄が低い
↓
鉄欠乏性貧血
↓
薄毛
というような流れになります。
数値は施設によって異なるのですが、血清鉄の基準値は、男性で 54~200 ㎍/㎗、女性で 48~154 ㎍/㎗とされています。
この数値より低いなら、薄毛の原因かもしれません。
たんぱく質や炭水化物を極端に制限したダイエット
亜鉛と薄毛の項目で、たんぱく質は髪の毛の材料であるとお伝えしました。
そのたんぱく質をダイエット目的で摂取しないと、もちろん休止期脱毛症の要因となります。
さらに、最近流行りのダイエット法「炭水化物抜きダイエット」をしてしまうと、活動エネルギー源である炭水化物の代わりにたんぱく質を分解してしまうので、髪の毛に行き渡らなくなってしまいます。
やるのなら「炭水化物抜き」でなく、「炭水化物制限」にしましょう。
休止期脱毛症と薬剤との関係性
休止期脱毛症はビタミンの過剰摂取や薬による副作用などによっても引き起こされますので注意しましょう。
- ビタミンAの過剰摂取
- 高プロラクチン血症を起こす薬剤
- 抗血液凝固剤
- 経口避妊薬(低用量ピル)
- 抗けいれん剤
- 向精神薬
上記に当てはまるようなクスリを服用している場合、担当医に「抜け毛が多い」と伝えてみましょう。
病気によって休止期脱毛症が引き起こされるもの
疾患性のものとしては
- 高脂血症
- 甲状腺機能低下症
- 甲状腺機能昂進症
- 肝機能障害
- 慢性腎不全
- 膠原病
- 梅毒
などが挙げられます。
その他、出産後や、インフルエンザ、肺炎、急性のストレスなどでも抜け毛が増える可能性があります。
休止期脱毛症は大きく3つに分けられます
これら休止期脱毛症は、次の3つに分類されています。
・急性休止期脱毛
ストレス、高熱、貧血、分娩後のホルモンバランスの乱れなどによって起こるもの。
・慢性休止期脱毛
中年女性に6ヶ月以上つづく、原因不明のもの。
・慢性びまん性休止期脱毛
内臓疾患のためにおこり頭部全体にゆっくりと進行するもの。
自分が休止期脱毛症かどうか確かめる方法
側頭部・後頭部と頭頂部やつむじの髪の毛の密度を見てください。
マイクロスコープなんかでみることが出来ます。
※
休止期脱毛症の場合、側頭部や後頭部も薄くなります。
しかし、女性ホルモンが原因の女性のAGA(FAGA)の場合、側頭部や後頭部は薄くならなりません。
側頭部や後頭部も、つむじ・頭頂部と同様の薄さであれば、休止期脱毛症の可能性がかなり高いでしょう。
自分が休止期脱毛症の可能性が高い場合
※
休止期脱毛症が病気なのか、ストレス性なのかどうか検査する必要があるため、一度病院へかかりましょう。
まずは、薄毛専門クリニックへかかり、原因を特定してもらいます。
もしかすると、病気の検査のために別の病院も行くかもしれませんので、医師の指示に従ってください。
病院での治療法
治療法としては女性のAGA用のクスリであるスピロノラクトンは効きませんが、別の薬剤による治療やメソセラピーなどといった治療を受けらます。
どんな治療をしていくのかは薄毛の度合いによって異なるので、「どうしたらいいか分からない場合」は無料で相談を受け付けていますので、一度話て見たほうがいいです。
私も一回女性の薄毛専門クリニックへ行ったことがあるのですが、不安が少し解消されたのを覚えています。
>> 東京ビューティークリニック 相談窓口
自宅でのケア
- 炭水化物制限ダイエットを行っているのなら中止
- ストレスが溜まっている可能性があるのなら定期的に発散
など、日常生活のなかで「これが原因かも?」というものを正していく必要があります。
もちろんそれだけでなく、頭皮ケアも行っていく必要があります。
- 頭皮が乾燥気味
- 頭皮が赤い、褐色
こういった場合は頭皮が異常を起こしていますので、健康な髪の毛が生えるように環境を整えるべきでしょう。
育毛剤による方法でもいいですし、頭皮が弱っているのなら無添加のやさしいシャンプーを使用するのもいいです。
育毛剤は、使い始めてすぐに効果が出るものではありません。髪の毛は一旦抜け落ちてから3ヶ月〜半年ほどで生え変わります。そのため、育毛剤の効果を実感するまでに少なくとも半年程度は使い続けて様子を見る必要があります。
女性用育毛剤には美容成分が含まれたものも多く、育毛ケアだけでなく頭皮のエイジングケアにも適しています。
スキンケアと同様に、毎日コツコツとケアを続けていくことが大切です。
コメント