人の皮膚には、常在菌と呼ばれる皮膚の代謝を助けてくれる菌がいます。
普段はおとなしいのですが、体調を崩していたり、皮脂が過剰に出てしまうと何故か皮膚に悪影響を及ぼしてしまうんです。
思春期ニキビなどで知られる「アクネ菌」や、脂漏性皮膚炎で知られる「マラセチア真菌」もその一種。
しかし、そんな菌とは別に頭皮や顔には「皮膚ダニ」と呼ばれるダニが存在していたんです。
皮膚ダニが頭皮に及ぼす影響
通常、このダニはそこまで大きな影響を与えませんが、このダニの数が通常よりも増えてくると問題になってきます。
皮膚ダニは、毛穴からでてくる際に頭皮の毛穴を大きく広げてくるので、荒々しい肌になり、排泄物や死骸のせいで炎症を起こし、ニキビを作ってしまいます。
頭皮ニキビはアクネ菌だけではなく、皮膚ダニも影響していたんです。
皮膚ダニって?どこに潜んでるの?
皮膚ダニはクモの仲間でダニ科に属し、8本の足を持ち、口器を皮脂や細胞に差し込んで栄養分を吸い取ります。
皮膚の分泌が多い場所を中心に、ほぼ全身に生息しています。
毛穴内部の皮脂腺に住み、皮脂をエサにしている小型の「デモデクスブレビス」と、毛根に生息する大型の「デモデクスフォリキュロラム」の2種類存在します。
頭皮ニキビの原因となるのは「デモデクスブレビス」という菌。
皮膚ダニは睡眠中に、皮脂腺や毛根部分からモゾモゾと出てきて活動し、皮脂を食べ周り、排泄物や死骸を残してまた毛穴へと戻っていきます。
(ちょっと気持ち悪いですね…。)
しかも、毛穴の奥く深くへ潜っていき、穴を開けて卵を産み付けるみたいなんです。
約50個の卵を生み、2週間で繁殖しします。
予防法は皮膚ダニを増やさないこと
皮膚ダニは、普段は皮脂を食べてくれるので毛穴をつまりにくくしてくれるいい子なんですが、髪の毛を洗わなかったり、ヘアオイルやクリームなどの油分の多いものをつけて寝たりすると、その油分がエサとなってしまい通常より増えてしまうんです。
増えてしまうと、頭皮ニキビの原因になるので、髪の毛は毎日洗うことと、ヘアオイルなどは頭皮につかないようにするなど、徹底しましょう。
頭皮ニキビができてしまった場合の対処法
まずは病院へいき、本当に皮膚ダニの影響なのか診てもらいましょう。
皮膚ダニが影響の場合、専用の薬をもらえます。
自宅で行うことは、ダニの繁殖が多すぎることが原因なので、ダニの数を一定に保つために、シャンプーは毎日かかさず行うこと。
洗い方は簡単で、頭皮をゆっくりとも見込むようにして、毛穴の中の汚れやダニを押し出すような形で洗うことです。
そして、シャンプーを流す際にはゆっくりと時間をかけて落とせば、ダニのえさとなる皮脂と同時にダニそのものも減ります。
ダニのえさになるようなものを減らすために、普段から脂っぽいものを散りすぎないようにしたり、運動でよく汗をかいて毛穴に脂が詰まりにくい状態にするとより良いでしょう。
ただ、完全にダニをなくそうとして、洗浄力の高いシャンプーはNGです。
頭皮の皮脂を摂りすぎると、逆に皮脂腺が肥大し、大量に出すようになってしまいます。
頭皮にやさしいシャンプーでもみ洗いが基本です。
なにごともやり過ぎには注意!
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